「ピアノの森」コミックス17巻の内容ネタバレです。
16巻では1次予選最終日にカイが審査員や聴衆を唸らせる演奏を聴かせ、無名のカイが有名になり始める予感がしました。
カイ以外にもポーランドの新星シマノフスキの出現など、まだまだ底知れないコンテスタントは潜んでいそうです。
ますますカイが注目されはじめたショパンコンクール。そんなピアノの森17巻のネタバレ内容を紹介します。
※この記事には「ピアノの森」17巻のネタバレ内容がガッツリ記載されています。マンガやアニメを見るよ!という方は閲覧にご注意ください。
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「ピアノの森」の試し読みは?
「ピアノの森」は全26巻で完結している人気作品です。
アニメでは原作の内容を元に描かれてはいますが、もっと続きを知りたい方や詳しい内容を知りたい方は原作を読んでみると良いですね。
この記事は以下ネタバレを含むので、原作で内容を知りたい方は無料の試し読みもオススメです。
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「ピアノの森」コミックス17巻の内容ネタバレ!
雨宮はアダムスキとトイレで遭遇し、祝福はされたものの正直今会うには気まずい人間だった。
アダムスキは納得は出来ないが結果は受け入れたという。アダムスキの痛みがストレートに伝わってくる雨宮。
ショパンコンクールは優秀なピアニストの為のコンクールであると同時に「ショパン」のためのコンクールでもあるという。
あえて言うならアダムスキはもっとショパンの生き方、苦悩苦しみを学ぶべきだったと審査員は言っている。
審査員達が知っているショパン、そしてショパン自身が望むショパンであるのが望ましいというものだった。
アダムスキと仲の良いゴシップ記者シモンは160年も前にいなくなった人間の気持ちなど分かるものだろうか、とケチをつけた。
だが審査員のアンジェイは答えた。ショパンには数多くの直筆の楽譜が存在し、長い年月ポーランドの音楽家達によって大切に今日まで繋がれてきたのだと。
楽譜はショパンが後世の音楽家に託したショパンの遺書なのだとアンジェイは言う。
だが直筆の楽譜でさえ多くの研究家によっても未だに謎が解明されたわけでもない、という事実をシモンは突きつけてくる。
あなた方のショパンだけは揺るぎない絶対なものだとどうしていえるのだろうか、そう尋ねるシモン。だがその後シモンは会場からつまみ出された。
雨宮はカイに勝つために200%の努力をしてきた。コンクールの為に誰にも負けない練習をしてきた。もうこれ以上は頑張れないという。
だがこのコンクールを逃したらきっともうカイはコンクールに出ないだろう。もう次なんて自分にはないんだ、と雨宮は落ちたアダムスキの前で涙を見せる。
アダムスキは自分だけが頑張っているなんて言うなと言った。全員とは言わないが、少なくとも2次に進む30名は雨宮と同じくらい練習しているとも言った。
そんな当たり前のことをお前のように自分自身で努力してるなんて言わないだけだ、とアダムスキは厳しく指摘した。
お前は何のためにピアノを弾くのか、オリの中で自分のために弾きたいわけではないだろ、とアダムスキは言う。そう言われた瞬間雨宮の中で何かが弾けた。
皆が自分と同じ努力を努力と思わずにやっている、そのことに雨宮は気づいたのだ。
アダムスキは自分の先生であるラハエルとショパンの心を知る旅をしていたのだという。
ワルシャワ、ウィーン、プラハ、パリ、三年間かけて旅をして、何人かの親切なピアノ教師にも見てもらった。でもやはり戻るところはラハエルだった。
それを聞いた雨宮は聞くまでもなく皆努力してきたことを知ってしまった。
雨宮は自分だけの世界で、まるで自分だけがリアルな存在で、他の全ては漠然とした虚構の世界だと思っていたことに気づいた。
あのカイですらひたすら努力してきた事実に雨宮は目を向けて来なかった。そして雨宮はずっと好きなだけピアノを弾ける環境を当たり前に与えられていた。
それを鬱陶しいと思うこともあった。なのに自分だけが誰よりも努力してきたと、あんまり必死だったので周りがすっかり見えなくなっていたらしい。
アダムスキは雨宮のピアノのセールスポイントは雨宮自身、ピアノに命を与えるのは雨宮自身だと助言してくれた。
まだ17歳。17歳のまっすぐなピアノはそれだけで十分新鮮で魅力的なのだ、とアダムスキは優しく声をかける。
その言葉は雨宮を覆っていた張り詰めていた殻を破っていく。雨宮と別れた後、アダムスキは落ちてしまった自分を情けなく思っていた。
自分はやり直せるのだろうか、そう思っていたアダムスキの前にラハエルが現れた。
ラハエルはアダムスキのプログラミングの意味をしっかり理解していた。
ショパンが曲を作った順に並んでいたし、ショパンの旅路がテーマになっているのもすぐに分かった。
アダムスキは自分を一番理解してくれているラハエルと会うことで安心し涙を流すのだった。
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アダムスキと話し終えた雨宮は心が軽くなり、一方のカイは遅れて自分の合格を知った。次は2次予選だ。雨宮は誰にも負ける気がしないでいた。
その夜洋一郎は旧友のクリスティナと再会していた。クリスティナは洋一郎の昔からの友人だが、同時に今回のショパンコンクールの審査員でもあった。
洋一郎は率直にカイをどう思ったか尋ねてみた。うちの息子は勝てると思うか?と。息子に代理戦争でもさせる気なの?と尋ね返すクリスティナ。
洋一郎はそんな気は無いとすぐに否定した。洋一郎はかつて阿字野をライバル視し、勝てないという絶望感と嫉妬心に苦しんだ時期があったからだ。
クリスティナは阿字野より洋一郎のピアノの方が好きだったらしい。阿字野のピアノは素晴らしかったが、心に響きすぎて平常心ではいられなかったという。
聴く人の状況によっては神にも悪魔にもなる危険なピアノだとクリスティナは思っていたらしい。興奮剤のようなピアノだ。
クリスティナは、洋一郎には過去と同じように阿字野に振り回されるような過ちを繰り返して欲しくないのだ。
洋一郎は代理戦争だなどとは考えていないし、息子はライバルに勝ちたいと強い意志を持っているだけなのだと主張した。
息子はピアニストとして幼い頃からのライバルであるカイに勝つために戦いを挑んでいるから、自分はあくまでもそれを見守る父親でしかない、と言う洋一郎。
だがクリスティナは思った。ここで息子がカイに勝てば、長い間自分が抱えていた阿字野のピアノの呪縛から解放される、と洋一郎は考えているのかも、と。
洋一郎が息子のピアノは現時点でカイのピアノより劣っているとみなして、それを感じ取って息子はもがいているのでは?と。
息子さんが一番認められたいのは審査員や聴衆ではなく父・洋一郎なのではないか、形に表したいのは誰かに示したいからなのではないか。
そうクリスティナは予測する。
洋一郎はクリスティナにそう言われ、自分の気づいてないことがあるのかもしれない、という表情に変わっていく。
そしてショパンコンクールの第2次審査が始まる。初日午前の部、第1奏者はソフィ・オルメッソン。第2奏者はパン・ウェイだ。
審査員も1次から変わらず採点方法も多分同じ。遂にソフィのピアノが始まった。美しいソフィが文句なしにうまい演奏を聴かせていく。
パン・ウェイの優勝したロン=ティボーではソフィは三位だった。派手な演奏だが内容が薄いと言われ傷ついたらしい。
ソフィは2次のトップバッターなのに、プレッシャーをまるで感じさせない堂々たる演奏でトップバッターを終えた。
次はパン・ウェイの出番。観衆に阿字野はいるのだろうか、そんなことを思いながらパン・ウェイは己の演奏をするのみと決意し演奏を始めた。
会場中の息が止まったかと思うような、ピアノを弾くものなら誰もが勝負を投げ出すようなそんなピアノだった。
ポーランドの悲劇などどうでもよく、むしろ悲劇などどこの国にもあるのだとパン・ウェイは思っている。パン・ウェイ自身にも悲劇はあった。
パン・ウェイを産んだ母はどこかの都市で宮仕えをしていたが、誰の子どもか分からないパン・ウェイを宿し、職を追われて地元の村に帰されてきたらしい。
女は美しく主に日本人を接待する役務についていたため、日本人から爆弾を仕込まれてきたと小さい村ではひと騒動になったという。
すでに家も身内も失くしていた女は貧しい村には疎ましく厄介なだけ。そして女は近々子が産まれるだろうという頃になって村の集会所の木で首を吊った。
最後にパン・ウェイだけは村人によって救われ産み落とされた。
女は正気じゃないのにお前の母親になることだけは拒絶したんだ、と養父のパンハオは幼いパン・ウェイを罵倒したという。
そんな思いをピアノに込めて弾くパン・ウェイの演奏を怖がる客も多くいた。美しくて怖くて悲しいと。
たしかにパン・ウェイは自分のピアノを弾いているようだ、そう阿字野は思った。だが底流にある悲しみと怒りは、自分の音楽ではないと阿字野は思った。
かつて自分がピアノを弾けなくなった時に味わった、絶望に勝るとも劣らない何かがパン・ウェイという青年にあるのかもしれないと阿字野は思った。
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パン・ウェイを買ったパンハオという男は己の貧しさを呪い、金のためならどんな非道もやってのけ、ついにいくつもの工場を持つようになった獰猛な男。
どこまで成り上がろうとも満足することはなく、故郷の村に学校を建て、幼稚園を建て、誰かに尊敬されたかったのだ。
初めてパン・ウェイがピアノを弾いたのはそんなパンハオが村の幼稚園にピアノを寄付した時のこと。
幼稚園の子ではなく、「バクダン」と呼ばれているパン・ウェイが、どこかでピアノを習っていたわけでもないのにピアノを弾いていた。
先生が即興で作った曲をたった一度聴いただけでコピーしてしまったパン・ウェイ。数日後パンハオは100元でパン・ウェイを買い取った。
パンハオは金では買えない本物のステータスや名誉を心底欲しがっており、文化的で高尚なものに係わることを望んでいた。
パン・ウェイはピアノを弾くために買われたが、強要された途端それは苦痛に変わった。
なかなか才能の片鱗を見せないパン・ウェイに業を煮やし、思う通りにならないパン・ウェイをパンハオは来る日も来る日も罵り痛めつけた。
だがパン・ウェイの悲劇はピアニスト阿字野の映像をみるまでだった。阿字野のピアノは地獄に降りてきた一筋の蜘蛛の糸だったのだ。
パン・ウェイは大勢のピアニストの中で、阿字野の音だけを捉え始め、阿字野を知ってからパン・ウェイは確実に上手くなっていた。
その時5歳のパン・ウェイの指ではまともに弾くこともできなかったが、それでも必死で阿字野の音を弾き続けてきた。
そして才能を発揮し始めたパン・ウェイは、ついにパンハオの息子となりパン・ウェイという名前がついた。
弾き方や仕草まで阿字野に似ているパン・ウェイ。洋一郎は自分の追い求めた阿字野のタッチ、音、を再現している青年パン・ウェイに驚愕している。
激しく、美しい。阿字野が日本人で、既にピアニストではなくなっている事実ならパン・ウェイは子供の頃に知った。
パンハオは阿字野という存在を消し、自分のピアノにしてしまえと言うが、パン・ウェイは阿字野壮介のピアノを継承したいと強く思っている。
演奏が終わった後観客はスタンディングオベーション。阿字野もパン・ウェイに拍手を送っていた。
それを見たパン・ウェイは、世界で唯一のあなたを継承するピアノだ、と心で思いながらお辞儀をした。
というわけでここまでがピアノの森17巻のネタバレ内容でした。
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