終物語下巻「おうぎダーク」。これで、終物語は終焉となります。
ここでは、下巻の最初のまよいヘルで明らかになった敵「忍野扇」と阿良々木の決着がつきます。
彼女がどういう存在なのかは、お馴染みの臥煙お姉さんが全て説明してくれます。さすがです。
では、終物語の最終話「おうぎダーク」のネタバレしていきます。
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目次
終物語下巻おうぎダークあらすじネタバレ
この話は、まよいヘルで敵と分かった忍野扇との決着を描いた話です。
3人野球
戦場ヶ原とのデートを終えた阿良々木は、その日の夜に浪白公園に向かった。
浪白公園のグラウンドで目にした光景は、人数の足りていない3人野球であった。
- ピッチャー:臥煙。
- バッター:全盛期の姿に戻った忍野忍。
- キャッチャー:八九寺真宵
道具
- ボール:手ごろな石
- バット:妖刀心渡
八九寺はキャッチャーでありながら「ピッチャービビってますよ」と野次を飛ばす。通報されてもおかしくないようなこの光景を見て見ぬふりをして、帰ろうかとも考えた阿良々木。
しかし「駄目」と服の裾をちょんと握って止めたのは、隣にいた斧乃木ちゃんであった。今夜でケリ付けるんでしょ、だからあの輪に入ろうと斧乃木ちゃんは言った。
八九寺は生き返った?
グラウンドでは無く、公園の広場に入った阿良々木に最初に気づいたのは、忍野忍だった。完全体に戻ったことで忍はテンションが高く、阿良々木が来たことを喜んだ。
阿良々木を抱きかかえ、ジャイアントスイングの様にぐるぐる回した。しばらく堪能したのちに忍は阿良々木を開放した。
目が回った状態で、阿良々木は現実世界に戻って、半年ぶりに向き合う八九寺の方へ手を伸ばした。
「それは地獄でやったからいいじゃないですか、バラガキさん。」という八九寺。いつもの「かみまみた」の流れです。
八九寺は地獄に行く前に斧乃木ちゃんに助けられたことでお礼をする。君の帰還をうれしく思うよと斧乃木ちゃんも答えた。
阿良々木には確認したいことがあったため、八九寺の胸へと手を伸ばしたが逃げられた。チェックの仕方はさておき、阿良々木みたいに生き返ったのか?
それとも・・・と言いかけたところで、臥煙がそれともの方だと言った。八九寺は火葬されていた為、身体は無く、初めて会った幽霊状態と変わらない。
臥煙の中でももしかしたらという線もあったが、ちゃんと精査した結果だった。無理矢理連れてきてしまったことを謝る阿良々木。
八九寺は気にしていないし、既に臥煙と話がついているという。にわかに不安になる阿良々木だが、臥煙はとぼけるように肩を竦める。
臥煙の計画
臥煙が話すその前に。斧乃木ちゃんを締め上げている忍。理由は幼女姿の忍に斧乃木ちゃんが、いつも失礼なことをしていたからである。
臥煙は阿良々木にやめさせてもらえないかと頼み、本題に入る。話の内容は当然、今から向かい合う敵「忍野扇」のことである。
忍野扇の正体に関しては、忍と八九寺はある程度説明されている。戦うべき相手について筋書から説明していく臥煙。
扇ちゃんと会ったことのない臥煙がなぜここまで詳しく話せるのかと不思議に思う阿良々木。臥煙にとって会ったことは無くても、知らない仲な訳ではないからである。しかし、本質的なことはまだ何も語らない。
北白蛇神社と浪白公園
怪異というのは誰かに認識してももらえなければ消えてしまう。南極にいたキスショットも例外ではなかった。そのことに気づき慌てて全速力で飛び立った。
そして、偶然着地に選んだ日本の一地方の湖を蹴散らしてしまった。偶然にもその湖はただの湖では無かった。その地方で信仰を集めていた神聖なる湖。
湖を干上がらせてしまったキスショットだったが、日照り続きであったその地方の人間は、湖の水で雨が降り、そこから現れたキスショットを神とあがめた。
神とあがめられたキスショットは、その地にいた神の立場を理論上乗っ取ってしまったのである。その後キスショットは暗闇に追われて、この場を去った。
そしてこの地には神が不在となってしまった。聖地と神を失った現地民は他宗教の山間信仰と合流する。二つの信仰は神が水蛇と山蛇、つまり蛇で繋がっていたからであった。
早速現地民は、湖の神社を山に移築した。しかし、似たような蛇だとしても違うものを無理矢理入れていることと変わらなかった。
そのアンバランスさで、「よくないもの」をあつめるエアスポットを生んでしまった。そしてその神社の元々あった場所が現在の浪白公園なのである。
そして、山に移築された神社が今ある北白蛇神社であった。
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町を良くする解決策 その①八九寺を神に
北白蛇神社が神不在になり、良くないものが集まったことを説明しました。それを補って良くするための条件のまず一つ目は、代替えの神を据えること。
元々阿良々木に相談して忍に神になることを頼んでいた臥煙。しかし、阿良々木が八九寺を地獄から連れてきたおかげでその必要がなくなった。
つまりは八九寺を神にすると言うことです。阿良々木としては、八九寺が神になるのはそんなに簡単なことでは無いと考える。
でも否定する理由もまた見つからない。そして臥煙は阿良々木にこの件に関しての3択を言った。
- 八九寺をこのままにして、「くらやみ」にまた襲われる。
- 八九寺をまた地獄に成仏させる。
- このまま現世で神にして残す。
当然阿良々木は①、②で良いとは言えない。千石撫子の件もあって心配する阿良々木。このことについて臥煙さんは説明する。
八九寺が神になれる理由
阿良々木が地獄から連れてきてしまった時に臥煙はファインプレイだと言いました。その理由は八九寺が蝸牛の怪異だと言うことです。
昔から三竦みという言葉がありますが、じゃんけんなどが良い例です。元々は蛇・蛙・蛞蝓の緊張状態を表した言葉なのである。
- 蛇は蛙を食べる
- 蛙は蛞蝓を食べる
- 蛞蝓は蛇を飲み込む。
そして、蝸牛は蛞蝓の近縁種。つまり、八九寺は蛇より上の存在であり、千石撫子のように暴走せずに蛇を抑え込むことが出来る。
蛇と蛇をつなぐのが理想なのだが、ある意味ではそれ以上の状態に持っていけるということである。阿良々木は八九寺に「本当にそれでいいのか?」と聞く。
八九寺の答えは「神様、アガるじゃないですか。失礼。神ましたという訳ですね」だった。笑
軽い気持ちに見えるが八九寺がそうなれば、阿良々木とこれからも遊べると言ったことで、阿良々木は反論を止めた。
町を良くする解決策 その②忍野扇の退治
八九寺を神にしたことで、「くらやみ」と北白蛇神社の件は解決される。それでは、解決としては半分なのである。
阿良々木は忍野扇は「くらやみ」なのだと思っていた。しかし、八九寺を襲った「くらやみ」が自然現象だと臥煙は知っていた。
ただし、忍野扇は「くらやみ」と同じ役割をした正体不明の化物なのである。臥煙がそれを知った理由は、姉が似たような怪異に会っていたからである。
姉が退治した方法は、正体を暴くこと。しかし正体不明、これこそが脅威なのである。「くらやみ」は自然の成り行きに背いてなければ、襲ってはこない。
くらやみもどきである扇ちゃんは神に据えた八九寺を襲うかもしれない。そうなると解決策1が無効になってしまう。臥煙は扇ちゃんを倒すことは、阿良々木にしかできないことだと言う。
阿良々木は、ついに正体を教えてもらう・・・と思ったが、ここでシーンは妹の阿良々木月火へと移る。
無くなったはずの廃塾
同日、千石のお見舞いに出かけた阿良々木月火。それは半分本当で半分は嘘である。千石は変わった。髪も短髪にして、自分をさらけ出すようになり、マンガを描いている。
それをちょくちょく手伝いに月火ちゃんは来ていたのである。その帰り月火は、忍野扇と出会う。阿良々木の後輩だと挨拶して、遅いから自転車で送ってあげると言った扇ちゃん。
しかし向かう方向が、家とは違う。辿り着いた先には、なんと火事で燃えたはずの廃塾が立っていた。好奇心で入ってみる二人。
教室に入るとそこには、阿良々木が待っていた。
忍野扇の正体
阿良々木と二人きりで話すからと扇ちゃんは、月火ちゃんを帰らせる。阿良々木がここにいた理由は、月火ちゃんを助ける為。
そして正体不明の忍野扇という化物と1対1の勝負をすることだった。扇は自分がここで正体を暴かれて倒されることをすでに悟っていた。
二人は他愛も無い話をした後、阿良々木は遂に忍野扇の正体を言った。「忍野扇の正体は僕だ」と。
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忍野扇は阿良々木の自己批判精神
忍野扇が生まれてしまったのは、阿良々木が正しく無いと思うことをなし崩しにしていた心である。
理由の一つとしては、成仏しなきゃいけない八九寺を阿良々木は現世に残したいと思った。間違いだと思いながらも。
それと同時に正しくないものを裁くくらやみも知ってしまった。そういう存在もいるのだと。そして阿良々木は精神の中から正しくない物を裁く、忍野扇という化物を生み出してしまったのである。
阿良々木が生み出した為、忍の力やエナジードレインで食べた怪異の力も持っている。
くらやみ現る さよなら扇ちゃん
阿良々木が忍野扇の正体を暴いた瞬間、「くらやみ」は現れた。二人は最後に今まで仕掛けた扇の罠は正しかったかと言う話をする。
扇ちゃんの答えはトータルで言えば、「くらやみ」に呑まれるのは自分だから阿良々木が正しかったという。そして扇ちゃんと阿良々木は互いに「さようなら」と言いあった。
阿良々木は自身の間違いで生んでしまった分身に、お礼は言えないが、見送りの言葉を重ねて言った。
「さようなら忍野扇。さようなら僕の青春・・・」だが、その時!!!阿良々木はやっぱり無理と言って、扇ちゃんを助けてしまった。
忍野メメ登場
扇ちゃんを押し倒し、助けた阿良々木。しかし、暗闇が右肩を少しかすっていただけで、その部位をごっそり持ってかれてしまった。
扇ちゃんは、初めて焦りを見せた。阿良々木は今まで助けてくれた人がいたのに、自分自身を助けないのはいけないと思い助けた。
そして扇ちゃんは阿良々木の傷口に触り止血した。今までの行動が間違いでなかったのであれば、僕は間違えていない。
そういった阿良々木を見て、扇ちゃんは照れたような表情で「まったく、愚かですねぇ」と言った。と、その時「そうでもないさ」という声がした。
「やっと自分の為に戦えたんだね、尊敬するよ」と言って現れたのは、忍野メメであった。
忍野メメの姪
幻覚だと思った阿良々木だが、隣で「私の勝ち」と言って寝てしまった羽川が、10日間寝ないで探してきてくれたらしい。
忍野メメは扇の迷い牛の力で怪異のいない、怪異専門家なら絶対に行かない南極にいたのである。そして忍野メメは、忍野扇を自分の大事な姪だと言った。
すると「くらやみ」はが消えた。忍野メメが扇ちゃんを認めたことで、くらやみもどきは実在するものになったのである。
忍野メメにお礼を言った阿良々木は、身体の限界が来てグラリと倒れた。そして良くやったと言って、忍野メメもまたどこかへ去っていった。
おうぎダークのキャラ考察と感想
「おうぎダーク」もそうですが、終物語は全部通して見ても今までで一番面白かった作品です。
扇ちゃんはこれで完全なレギュラーキャラになったんでしょうかね?阿良々木の分身だけど、全然性格は違いますよね。
阿良々木のできない部分をやるために登場してるようなものですからね。扇ちゃんはでもすごいキャラです。ほぼ全部の怪異の力が使えるんですから。
この先の話に当たる花物語では、なぜか男になっているのですが、僕は結構かわいげのある好きなキャラでした。
そして久しぶりの忍野メメの登場が嬉しかった。彼は本当に初期の頃しか出ないキャラになりつつあったので、次はいつなんだ?
と思っていたんですが、かなりかっこいい現れ方をしてきましたね。何でも見透かすような彼ならではの登場だったのかもしれません。
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まとめ
続・終物語なるものも発売されているので、絶対に読んだ方が良いと思います。
以上「終物語下巻あらすじネタバレ!おうぎダークのキャラ考察と感想」でした。
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「信仰」と思われる箇所が「進行」になってますね
コメントは消して頂いて構いません
ooさん、ご指摘ありがとうございます。
早速修正させていただきました!!