小説「風が強く吹いている」のネタバレ後半です。

ここからは寛政大学のメンバーが箱根駅伝に実際に出場できるのか、運命が決定する予選会の内容に入っていきます。

そして気になる最終回までの結末も描かれています。それでは「風が強く吹いている」の後半ネタバレです。

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七、予選会

立川の昭和記念公園でこれから予選会が始まる。上位9校までに食い込めれば寛政大学も予選通過となる。

選手が10人しかいない寛政大学は、誰か一人でもゴールできなかったらその時点で箱根への道が絶たれてしまう。王子にプレッシャーがかかる。

そして予選会はスタートした。36大学、415人の選手たちが一斉に走り出すが、箱根に出場できるのはその内の9校のみ。

先頭三人はいずれも黒人留学生だが、出だしから走とハイジは第一集団の中にいた。第三集団には双子がいる。

5km地点で第一集団がバラけ始めたが、走とハイジは第一集団にしっかり入っていた。

 

10km地点でペースアップ。

 

10km地点でハイジは走に、このレースの最初の勝負どころが来るから遅れをとるなと声をかけた。

案の定10kmの標識を見た強豪校のエース二人がペースを上げはじめたが、走は二人の背後にぴったり食いつき、二人を抜いて単独4位になった。

3位は黒人留学生のイワンキ。ハイジは古傷が痛みだし、走に追いつくのは無理だった。走が抜いた二人の他校エースにペースを合わせる。

アオタケの住人は予選会で初めて走の本気の走りを見た。こんなに凄いのかと驚き、触発され、更に頑張る気になる。

そしてそろそろ先頭集団がゴールする時間帯になってきた。

 

走は3位。ハイジは6位。他のメンバーも無事ゴール。

 

1と2位は黒人留学生だったが、なんと走は3位でゴールしたのだ。無名の寛政大学の選手が3位入賞したと話題になった。

ハイジは15km過ぎに右脛にわずかな違和感を感じたが、走の応援も励みとなり6位でゴールすることができた。

箱根駅伝の予選会は10人の合計タイムで結果が決まる。双子、ユキ、ムサ、ニコチャン、神童は80〜90位台でゴールできた。

キングも健闘し123番。残す王子はゴールまで後20m。とっくに限界を迎えていたが、走は王子を大声で応援した

王子はゴール付近で吐いてしまったが「吐いている場合か走れ!」とハイジは声をかけ、王子はハイジのことを鬼かと思いながら176位でゴールした。

 

藤岡の言葉に感銘を受ける走。

 

結果発表まで後1時間程。他校の生徒がムサを見て、黒人を入れるのはずるいよな、と囁いているのを耳にしてしまった。

それを聞いて走は憤慨したが、自分自身イマイチ怒った理由がわからない。そこにあの六道大学の藤岡が現れる。

藤岡は彼らの言っていることは馬鹿げていると一蹴した。そもそもオリンピックは人種間の戦いでもある。

身体能力が上だからズルいとは言えないだろうと。そして金メダル、日本人選手が1位、そんなことに価値はないと藤岡は言う。

たとえ1位でも自分に負けたと感じれば勝利ではない。変わらない理想や目標が自分の中にあるからこそ俺たちは走り続ける、と藤岡は言い切った。

走は自分のモヤモヤが晴れた。藤岡は走が感じてはいたものの、うまく言えなかったことを解きほぐして言葉にしてしまったのだ。

 

寛政大学は8位入賞したが、それ以上の不安も。

 

藤岡と走の前にハイジがやってきた。藤岡はハイジに「箱根で待つ」と言い残して去っていった。

走は自分に足りないものは「言葉」だと分かった。モヤモヤした気持ちを放っておいてはいけない、走る自分のことをよく知っておくべきだと思った。

そして結果発表。1位は東体大。2位は甲府学院大学。そして何と寛政大学は8位に入っていたのだ。

部員10人しかいない寛政大学が、初めての挑戦で見事に箱根への切符を手に入れた。とはいえ3位と6位でゴールした選手がいる大学だ。

しかし東体大と寛政大学では20kmで7分半の差がある。それなら箱根で優勝するような大学の選手は一体20kmをどれくらいの速さで走るのか?

自分達も練習すれば正月までにそのレベルになれるのか?ジョータはそのことを真剣に問いただしてきたが、走は何も答えることができなかった。

八、冬がまた来る

選手が10人しかいない寛政大学が、予選会を通過し箱根駅伝出場を成し遂げた。という快挙は大学陸上会だけに止まらず全ての人々の話題に上った。

その後寛政大学は上尾シティハーフマラソンに出場することになったが、双子はその日草サッカーチームに参加するので行けないという。

双子はハイジに騙されたと言い始めた。スポーツで頂点を取る、とハイジは過去に宣言したが、しかし調べたところどう考えても六道大学に勝てない。

六道大学のレギュラーは、どの大学でもすぐにエースになれる実力の持ち主で、とても選手層が厚い。

二軍でさえ箱根を走ったら自分たちより良い順位になる可能性が高い。結果が分かってるスポーツなんて何のためにやるのか?と双子は抗議した。

 

走と双子の大喧嘩と万引き犯。

 

双子の意見を聞いて走はムッとしたが、双子は練習する気にならないと言い始め、遂に走と大喧嘩になってしまった。

たまたまやってきた葉菜子が喧嘩を止めたが、ハイジは頂点を取ろうとは言ったがそれは優勝という意味で言ったんじゃないんだと弁明した。

この後走は葉菜子を送って帰るように言われて二人は外を歩いていたが、ここで3人の高校生が本屋で万引きして逃げるところを見かけてしまう。

走は葉菜子に捕まえてと言われ、交番から出てきた警察官と一緒に万引き高校生を捕まえることに成功する。

後日走は「箱根駅伝出場の寛政大学選手万引き犯捕まえる」という見出しで新聞に載った。

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週刊真実の記者望月が暴行事件について尋ねてくる。

 

上尾シティハーフマラソンが開催され、このレースもアオタケの住民にとって良い経験になったが、レースの後に週刊真実の望月という記者がやってくる。

最初は万引きのことで話を切り出してきた望月だが、次第に走がかつて起こした暴行事件について尋ねてきた。

走は高校の頃、陸上部の監督を殴って鼻を折り、その後陸上推薦が内定していた大学を蹴って部も辞めてしまった。

不祥事が表沙汰になるのを恐れた監督が事件を内々に済ませようとしたのにも関わらず、何がそんなに不満でどういった仲違いがあったのか望月は尋ねてくる。

 

走は自分の鬱憤を晴らしたかった。

 

走は入学当初から監督とそりが合わず、タイムのことばかり口にするやり方が気に食わなかった。

ある日故障して再起が難しくなった1年生を、監督が部屋で罵っているのを目撃し、それで頭に血が上ってしまったとのことだ。

でもこれはたまたま鬱憤を爆発させるための良い起爆剤になっただけで、監督を殴った瞬間これで終わりにできるという思いが走にはあった。

勿論1年生のためというわけではなく、キッカケを作って監督を殴り、走はせいせいしたのだ。

その結果、走の所属していた仙台城西高陸上部は自主的な活動停止状態に入り、それで今も榊は走を許せないでいるということだ。

 

チームメイトは皆走を庇ってくれた。

 

自分の口でかつての暴行事件を説明した走だが、ハイジはそれでも望月から走を庇った。走は才能のある選手で人間的に信頼のおける仲間だと言って。

最後に望月は監督に何か言いたいことあるかと聞いてきた。走は何もないと答えた。

そして翌週発売になった週刊真実に、かつて走が起こした暴行事件について少し掲載されていた。しかし周りは気にするなと走に声をかけてくれた。

しかし走の親はまた騒ぎを起こさないでくれ、と走に電話で文句を言ってきたのだった。

 

箱根駅伝の走者は決まった。

 

ユキは成城の駅にある整形外科に入っていったハイジを見たという。もしかしたら完治していないのではないか?とユキは心配している。

走は自分が後でハイジに聞いてみるとユキに言った。そんなハイジだが、既に彼は箱根駅伝で誰がどこの区間を走るのかを決めていた。

【箱根往路(一日目)】

一区 大手町〜鶴見 王子
二区 鶴見〜戸塚 ムサ
三区 戸塚〜平塚 ジョータ
四区 平塚〜小田原 ジョージ
五区 小田原〜箱根 神童

【箱根復路(二日目)】

六区 箱根〜小田原 ユキ
七区 小田原〜平塚 ニコチャン
八区 平塚〜戸塚  キング
九区 戸塚〜鶴見 走
十区 鶴見〜大手町 ハイジ

この順番を見た走は、ハイジが後半で勝負をかけようとしていることが分かった。そしてエントリー表からハイジの真剣さが伝わってくる。

これは爪痕を残すどころか、真剣に勝ちに行ける順番をハイジは決めてきた、そう思った走は気合が入り拳を握りしめた。

 

ハイジは心配はないと言うが・・・。

 

順番の話し合いが終わった後に走は、ハイジに足の調子が良くないんじゃないですか?と尋ねてみた。

君が心配するようなことは何もないよ、とハイジは答えたが、それ以上聞くのは不安だったので走は追求できなかった。

12月に入ってからもひたすら練習を続け、静かな年越しをし、そして1月2日に箱根駅伝は始まった。

10人で挑んだ1年間の戦いの終着点。箱根駅伝がある限り語り継がれる、10人の最初で最後の戦いになる。

九、彼方へ

1月2日。箱根駅伝は遂に始まった。2区はエースを起用するものなのだが、六道は第2区に藤岡を起用してこなかった。

今大会で六道の連覇を阻止できるのは房総大だと言われている。そんな中、寛政大学は王子がスタートした。

王子ははっきり言って遅いが、それでも自分のペースを保ってしっかりと走ることができた。

2区にはエースまたはエース級の選手がひしめいており、黒人留学生が占めている状態だ。寛政大学の2区はムサが走ることになっている。

ビリではあったが、その後引っ切り返すことのできるタイムで王子がやってきて、2区のムサと交代することになった。

 

ムサの頑張りと神童の体調不良。

 

2区は箱根駅伝の中でも花の2区と呼ばれており、トップは六道大と房総大で争っている状況。

ムサは途中ペースを乱してしまったが、ハイジから権太坂の注意点を聞いていたため、ラスト3キロの地獄の上り坂を意地で走った。

渾身のスパートをかけ、ムサは13位で戸塚休憩所に到着した。ムサが頑張ったおかげで寛政大学にもまだ希望ができた。

そんな中、5区を走る予定の神童が熱を出しているという情報が。神童は元気だと言い張るが、どう考えても体長が悪そうだった。

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遂に葉菜子の気持ちに気づいたジョータ。

 

双子はいつも一緒だった。学力、運動能力もほぼ同じ。でもジョータには、走りはジョージの方が向いてるということが分かっていた。

自分はここまでだが、ジョージはもっと早くなる。ジョータは弟はランナーとしてもっと高みを目指せる存在だと気づいていた。

そんな中、中継所200m手前に葉菜子が自転車で疾走している姿を見かける。ここでジョータは気づいた。葉菜子は自分のことが好きなのではないかと。

でも俺か弟かどっちだ?とジョータは思った。嬉しさや疑問、混乱が渦巻いたが、そんなことを考えている内に目の前の選手たちを抜き去っていた。

そんなこんなで東体大が9位、ジョータは11位で到着しジョージに襷を渡した。

 

葉菜子のことを考えてジョージは上の空。

 

11位まで順位をあげてくれたジョータだが、場をわきまえず襷を渡すと同時に「ハナちゃん俺たちのこと好きかも」とジョージに言った。

「うそ?」と言ってジョージは飛び出して行ったが、1区では最下位だった寛政が2区で11位になったので注目され始めていた。

ニコチャンは早速「双子が葉菜子の気持ちに気づいたぞ」とハイジに報告する。走もその話を聞いていた。

葉菜子の気持ちが双子に通じたのは嬉しいことのはずなのに、走はなぜかここでモヤモヤしてしまった。

ジョージは葉菜子のことで頭いっぱいになり、今浮ついて走っている。けれど意識をレースに向けなければと途中で思い、ジョージは走りに集中し始めた。

 

風邪なのに最後まで走りきった神童。

 

ジョージは気を取り直して渾身の走りをし、襷を5区の神童へと渡した。神童は熱で意識朦朧としている。箱根の山登りは苦しくて辛い。

神童はどんどん抜かれていき、19.1km地点の大鳥居をくぐったところで意識は途絶えた。脱水症状を起こしてしまったのだ。

それでも走る神童。ゴールまで辿り着けるのか。5:31:06で房総大が往路のゴールテープを切る。1:39後に六道が2位に。

東体大は11位でゴールしたが、トップとのタイム差が10分を超えたチームは明日繰り上げスタートとなる。

それでも神童は走りきった。18位だった。すぐに医者に見てもらい、ひどい風邪だと診断されたが、暫く眠った後に意識が回復した。

 

ハイジがアオタケのメンバーと箱根駅伝を目指した理由。

 

その日走とハイジは語り合った。ハイジは自分の過去を話してくれたのだ。ハイジの父は高校陸上部の監督だった。

全て陸上優先の父で、父の勤務先高校にハイジも通うことになったが、足に違和感があることを父に言い出せなかった。

そんな中、自分にできた父への小さな反抗が、強い陸上部のない自分の行きたい大学に行くことだった。

しかし走れなくなってから初めて走りたいと心から思うようになり、走ることを真剣に望む人と一緒に夢を見たいと思ったのだという。

素人でも自力と情熱があれば、誰かの言いなりにならなくても走れる。それを箱根駅伝で証明したかったのだという。

 

ハイジと走の固い絆。

 

実のところハイジは、走を仙台城西高の蔵原だと知って声をかけたという。自由で楽しそうに走っていたから声をかけたとあの時は言っていた。

そのまま気づかずに声をかけたと嘘を突き通してくれればいいのに・・・、と走は思った。しかしハイジと築き上げた信頼は今更崩れない。

走はハイジに感謝しているのだ。走はハイジに明日は最高の走りにしましょうと声をかけた。

そして二人は明日全力で走ることを誓ったのだった。

十、流星

箱根駅伝復路の日。ユキは早起きした。頭が冴え、いいテンションだった。一方走は落ち着いていなかった。

朝食後ジョッグに誘ったのにハイジが断ってきたからだ。もしや足が酷いのでは?と心配になり走はハイジの部屋に行ってみた。

ハイジは医者に痛み止めを打ってもらったらしいが、もう走れなくなってもいいと言い切っている。

六道の藤岡が9区を走ると聞いて、同じ9区の走は同じ場所で戦えると思い熱くなった。その後ハイジは走が思うほど足は深刻ではないと言い切った。

再起不能レベルではない、本当だ、とハイジが言うので走は信じてみることにした。

 

走は葉菜子への気持ちに気づいた。

 

午前8時芦ノ湖。箱根駅伝復路の2日目が始まった。トップで房総大が走り出し、1:39後に六道がスタート。

トップの房総大とタイム差が10分以上ある学校は、房総大が復路のスタートを切ってから10分後に一斉スタートとなる。

寛政大学は11:53の差があるので、残りの1:53もしっかり加算されることになる。6区はスピード力が重視されるのだが、寛政大学の6区はユキだ。

ユキのペースがちょっと早いので走は心配していたが、そんな中、ジョージは走に葉菜子のことが好きなのか尋ねてみた。

ここで走は自分も葉菜子が好きなんだという隠れた気持ちに気づくが、葉菜子は双子のことが好きと言っているし、ジョージは告白するとまで言っている。

それなら応援したいと走は思い、一方のジョージは箱根駅伝の後に葉菜子に告白する決意を固めた。

 

レース中も嫌味を言ってくる榊。

 

ユキはハイペースだと心配されていたが、あと少しで区間賞というくらいの速さをキープして走り抜け、ニコチャンに襷を渡した。

ニコチャンはしばらく走ってから、自分がペースを保てていることに気づき順調に走るが、それでも特に速いというわけではなかった。

そんなニコチャンからの襷を待っているキングと付添のムサのところに榊がやってきて、また嫌味なことを言ってくる。

寛政大学の箱根はこれきりになりそう、来年度のメンバー不足を悩むまでもなくて良かった、などと言ってくる。

これから8区を走るキングはキレそうになったが、榊も8区を走る。ムサはそこに榊の緊張感とプレッシャーを感じ取った。

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榊が箱根駅伝にかける思い。キレるキング。

 

中学の頃から箱根を目指していたという榊は、チャラチャラ遊びで走っているあなた達には自分の気持ちは分からないと言ってくる。

走ることに一途だから敵も味方もライバルになり、自分以外のランナーの順位、タイムがずっと気になっている。そんな榊をキングは哀れんだ。

そんなに憧れた箱根駅伝なのに今楽しいか?とキングは尋ねてみた。楽しい必要はない、思い出作りなら楽しめばいい、と返してくる榊。

でも自分は戦って競技に勝つ、走のように弱い奴らに合わせて堕落するのはごめんだと榊は言い切り、それを聞いたキングはキレて怒鳴った。

ムカついたキングは走に電話し、榊はムカつくからお前が悔しがらせろ!と言って切った。

藤岡の新記録宣言とキングのハイペース。

 

一方走の元には六道の藤岡がやってきて、自分は9区で区間新記録を出すと宣言しに来た。これは単に区間賞と言っているのではない。

今大会で9区の頂点に立つだけでなく、箱根駅伝の歴史の中で9区を走った全選手の頂点に立つと言っているのだ。

9区のタイムはここ5年ほど更新されていない。しかし負けん気の強い走は、藤岡の記録も自分がこの日塗り替えると宣言し、二人は火花を散らした。

そんな中ニコチャンが襷を渡し8区がスタート。キングは先程の挑発もあり、榊を目の敵にして序盤からペースを上げてしまった。

スタミナは温存しておけとハイジに言われてたのだが、キングは榊のペースに合わせて走ってしまったのだ。

 

キングが懸命に走り襷は走へ。

 

榊に挑発され頭に血が上っていたキングだが、途中で自分に負けてはいけないと気付き、仲間のことも思い出し、ペースを保って走るようになった。

そして藤岡が2位で襷を受け取り、逆転総合優勝の為に走り出す。今の首位は房総大で六道との差は58秒だった。

榊がちょうど8区を走り終えたが、ここですれ違う走に「無駄だよ蔵原、寛政大学はもう終わりだ」と言ってくる。

8区で寛政大学を含めて4校の生徒を抜き、チームの順位を押し上げた自信が榊にそう思わせたのだろう。

そんな中、懸命に走ってくるキングの姿が見え、走は「終わるわけがない」と榊に言い切り、キングから襷を受け取りスタートした。

 

藤岡は記録更新。走はトランス状態に。

 

9区の走は走りだしたが、今日はすこぶる調子がいいと思った。その間に藤岡は見事9区で首位に立つ。

藤岡は5年前の区間記録と同じくらいの速さで走っている。負けじと走も西京大と喜久井大の選手を抜き去った。

給水要員が走に「藤岡が区間記録を出しそうだ」と報告してくる。それを聞いた後に走は水を口に含んだが、その時!

周囲の音が一気に遠のき、呼吸が楽になった。熱狂と紙一重の静寂。怖いくらいに気持ちがいい。そんな中藤岡が襷を渡し区間新記録を達成したという。

しかし中継は20キロ地点を過ぎて更に走のスピードが上がったと実況している。もしかしたら9区の記録がまた更新されるかもと。

走は今トランス状態で、この感覚は何なのか走自身にも分からなかったが、走は遂に10区のハイジに襷を渡した。

 

東体大とのシード権争いに。ハイジの足は悲鳴をあげている。

 

何と走は藤岡より1秒速いタイムでゴールし、区間新記録を叩き出した。鶴見休憩所で9〜13位につけた大学のタイム差は全部で1:18しかない。

どこがシード獲得圏内に滑り込んでも、脱落してもおかしくないという状況になった。そんな中、東体大の選手のペースが落ちてくる。

そして暫く走っている内にハイジの足も痛み出した。15kmの通過タイムで、もう六道大の優勝は間違いないところまできていた。

東体大の通過タイムは3位だが、まだ寛政大学はこのタイムと争える場所にいる。それなのにハイジは途中で古傷に物凄い痛みを感じてしまった。

それでもハイジは笑って走り、ここでユキが計算する。このままでは東体大に6秒も及ばないと。だが幸いゴールまで後3kmもあるのが救いだった。

 

剥離骨折しながらも走り続けるハイジ。

 

ゴールまで残り800m。ハイジは更に加速したが、右脛の骨がパキリと音を立て、自分の骨が剥がれたのが分かった。痛みでハイジの全身に脂汗が。

そんな中房総大が2位でゴールし、大和大が3位、北関東大が4位、そしてガード下からハイジが現れた。5番目だ。

今日の復路を18番目にスタートした寛政大学が今5位でゴールしようとしている。実況も驚いていた。足が痛いのにハイジはペースを落とさない。

東体大とのタイムを一秒でも縮めようとしているのだ。ハイジはふらついたが体勢を立て直し、スピードは衰えさせない。

だが走だけは気づいていた。ハイジの足が壊れてしまう、二度と走れなくなると。そんな中ハイジは遂にゴールした。

 

東体大に勝利しシード権を獲得した寛政大学。

 

あとは東体大10区の選手のタイムがどうなるかだ。後20mでゴールする。榊たち東体大生がチームメイトに急げと叫んでいる。

そして東体大選手がゴールした。結果はすぐに発表された。東体大は寛政大学に2秒及ばなかった。

この結果、遂に初出場の寛政大学がシード権を獲得してしまった。走達は抱擁して喜び合った。テレビカメラやインタビュアーも近寄ってくる。

アオタケの皆は自分たちの成し遂げた快挙を暫く実感できず信じられなかったが、その後すぐに皆で喜びあった。

エピローグ

また春になり、これから陸上部に入部する予定の新一年生が走に挨拶してくる。近い内に竹青荘は取り壊され、陸上部の新しい寮ができる。

走は大学を卒業したらハイジがコーチをしている実業団に行く予定だ。あの後ハイジに憧れて寛政大学に入学してきた新入生もいた。

彼らはハイジとはどんな人なのか尋ねてきた。走は「すごく嘘がうまい」と答えた。ハイジは箱根駅伝に全てをかけ、二度と走れなくなったのだ。

走はただ一つのことを除いて全てをハイジから教わったと思っている。「走るとは何なのか」以外は。

走は今もその答えを知らないが、これからも走り続けていくことに決めた。

というわけでここまでが「風が強く吹いている小説内容ネタバレ!アニメ最終回の結末まで」でした。

 

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