hibike2画像出典:響け!ユーフォニアム 小説1巻より

「響け!ユーフォニアム」小説2巻の内容ネタバレです。

2巻の内容は、京都府大会で良い成績を残し関西大会進出を果たした北宇治高校が、次に目指す関西大会までの間に起こるトラブルを乗り越え、本番に挑むまでのストーリーになっています。

目標が出来てますます練習熱心になった北宇治だけど、部員同士の悩みや思惑が入り組んでいる状況をどう打破して行くのか。それでは響けユーフォニアム2巻のネタバレへと参ります。

※この記事には響けユーフォニアム2巻のネタバレ内容がガッツリと記載されています。アニメや小説を読むよ!という方は閲覧にご注意ください。

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響けユーフォニアム2巻の内容ネタバレ!

プロローグ <ネタバレ>

全国を目指していた南中学校のみぞれと希美。だがコンクールはあっけなく終わった。

関西は強豪校が大阪に集中している。数少ない京都の強豪校にいたみぞれたちは、三年という最後の年に今まで以上の練習を重ね挑んだ京都大会で銀。通過点も通過できず関西大会を逃した。

希美はみぞれに「みぞれはさ、コンクール好き?」と尋ねた。それに対しみぞれは「大嫌い」と答えた。

一章ネタバレ フルートの来襲

オーボエ担当の鎧塚みぞれ

 

滝が来てから部員たちはメキメキと実力を上げ、遂に北宇治高校は関西大会への出場資格まで手に入れた。関西にある23校の内、3校だけが行ける全国大会。

そして北宇治が全国に進むためには三強と呼ばれる強豪校の一つに勝たないといけない。まだまだ気を引き締めていかないとと、部員たちは一層練習に励む。

久美子は麗奈に付き合い朝の6時に登校した。いつも朝練のため6時に登校している麗奈よりも早く、オーボエ担当の2年・鎧塚みぞれは登校し練習していた。

久美子はみぞれのオーボエの音色を耳にし、美しいけれど何か足りない気がする・・・と感じる。数時間経ち、他の生徒たちも登校し滝もやってきた。

 

あすかのことを待つ希美

 

今の北宇治では関西の壁は越えられないと感じた滝は、夏休みの間だけプロのパーカッション奏者・橋本真博をコーチとして招いた。彼は滝の大学時代の友人で北宇治のOB。小柄で色黒、親しみやすい印象の男だった。

特別コーチを呼ぶほど力を入れている滝。部員たちもそれぞれのパートに分かれ一生懸命練習する。久美子はある日、低音パート練の教室の前で立っている2年の希美という生徒がいた。

久美子が希美に話を聞くと、どうやらあすかのことを待っているらしい。そこに慌てて走ってきた夏紀。夏紀は「あいだに挟まれてる」とか「自分が呼ぶまではどっかに隠れてろ」とか、焦った様子で駆けつけて言った。

夏紀は一旦希美を帰し、久美子には今のことは黙っているように言った。

 

部活復帰をあすかに願う希美

 

練習の時間。夏紀はいつあすかに話を切り出そうかそわそわしていた。それを感じ取りじれったいあすかは「何かうちに用でもあんの?」と切り出した。夏紀はどぎまぎしながらあすかに話を聞いて欲しいと言って、数分後に希美を連れて来た。

2年の卓也と梨子は希美が来たことに驚くが、久美子たち一年は状況が掴めない。皆が驚く中あすかだけは冷静だった。希美は「私、部活に戻りたいんです」とあすかに言った。あすかはまず不愉快そうな態度をとる。

続けて夏紀が希美の部活復帰をあすかに頼む。今からAで参加したいわけではない、ただ部活に参加したいのだと。しかしあすかは無理だと言った。あすかの答えは「全国が終わるまでは復帰を諦めてほしい」だった。

そのあとなら戻ってきてよいと。その場に沈黙が走った。

Aとは?
全国大会の開催されるA部門と小規模なコンクールが開催されるB部門がある。実力のある部員はオーディションの末A部門への参加が許され、補欠組はB部門で腕を磨いている。

 

無表情のみぞれが見せた驚いた顔

 

話し合いたいから一年は先に帰ってほしいと卓也は言った。葉月は隠し事された気分になったが、久美子たちは空気を読んで3人でその場を離れた。

次の日の朝も麗奈と久美子より先にみぞれがいた。3人の後にトランペットの優子が教室に入ってくる。優子はみぞれに、希美が部活に戻りたいと昨日言ってきたことを伝える。

普段感情をあらわにしないみぞれの瞼が大きく持ち上がり、驚きで口を開けた。オーボエを持つ指が震え、またゆっくりと目を伏せる。いつも無表情のみぞれが見せた初めての顔だった。

次の日も希美は低音の教室にやってきて話し合いを続けている。久美子は思い切って部長の小笠原にみぞれと希美の関係を聞いてみた。

 

希美の復帰を何故か認めないあすか

 

小笠原はみぞれと希美が南中出身であることを久美子に話した。優子や夏紀も南中出身であり、去年起こった2年生の集団退部のメンバーは、ほとんどが南中出身の子だったのだと小笠原は言う。

南中は宇治市の中では吹奏楽部の強豪校で、久美子の通っていた北中とはライバル関係にあった高校。部活に戻りたいなら顧問や部長に話せばいい、しかしあすかに許しを得ようとしているのは何故なのか、久美子と秀一は疑問に思う。

練習後、遂にしびれを切らした葉月たちは希美たちの会話を盗み聞きしに行く。ただ部活で皆を支えたい、と訴える希美だがあすかはOKを出さない。むしろ復帰したいならさっさと顧問のところに行けばと答えるあすか。

しかし希美はそれじゃあ意味がない、「あすか先輩は特別なんです」と言うが、あすかは部活のプラスにならないからと拒否し、夏紀がなぜかを問うもあすかはそれに答えず話を打ち切った。

 

希美のフルートの音色。拒絶するみぞれ。

 

花火大会の日。道の混雑を予想し滝は吹部の練習を早めに切り上げた。久美子は一緒に花火大会に行く麗奈の元へ向かうが、途中階段でうずくまり「気持ち悪い」と顔色悪く涙を流しているみぞれがいた。

久美子は保健室に連れて行こうとするがみぞれは「いい、いらない」と断った。病気なのでは?そう久美子が思った時に廊下の奥からフルートソロが聞こえた。温かみのあるキラキラとした音色。

久美子はそのフルートに聞き覚えがあった。中学の時にコンクールで聞いた南中のフルートだった。みぞれはこの音は聞きたくないと一人で歩いていった。久美子がフルートの方へ近づくとその奏者の正体は希美だった。

希美は自分の楽器を持っていて、夏紀から自由曲のコピーをもらってそれを吹いていた。希美はあすかを待っていたようだったが、久美子は少し会話をしその場を去った。

 

全国レベルの強豪校

 

夏の初めの頃より滝の要求するレベルが上がった。部員たちも全国に本気で行きたいという姿勢になり、吸収しようと必死に練習している。放課後久美子とみぞれだけ練習をしていると、そこに滝が現れる。

会話の中で久美子はなぜそんなに顧問として力を入れられるのかを滝に尋ねた。滝は楽しいと答えたが、久美子は他にも何か理由があるのだと滝の嘘を見抜いた。久美子が家に帰ると5つ上の姉・麻美子が久しぶりに帰ってきていた。

小さい時は憧れていたが今となっては好けない姉。姉が部屋に戻り久美子がテレビを見ていると、福岡の清良女子高校がスタジオで生演奏をしていた。あまりに上手でプロみたいだった。

北宇治もこのレベルで演奏できるのかを母親は久美子に尋ねた。久美子は「さすがに、このレベルは・・・」と答え、母親は「こういう学校は別格だものね」と言った。久美子はそれを聞き思わずムッとした。

二章ネタバレ トランペットの本心

プールに遊びに行った久美子たち

 

久美子・葉月・緑・麗奈の4人でプールに行く。二人で来ていたあすか&香織コンビ、次にみぞれ&希コンビと遭遇し、最後に久美子が一人で歩いていた時にクラスの仲間と来たという希美とばったり会った。

久美子は思い切って希美に、何故部活を辞めたのか理由を尋ねた。希美は長くなると言いながらも語ってくれた。まず希美は2年の夏紀がAから外れ、久美子がAであることについてはどう思う?と訊いてくる。

久美子は正直に、実力のある者が選ばれるのがコンクールのためには必要だと言った。咎められると思った久美子に希美は自分もそう思うとはっきり告げた。

 

希美の語る退部の理由

 

希美は中学で良い結果を出せなかった為、高校では結果を出したいと意気込んで入学したが、滝の前の顧問の方針が「楽しくやりましょう」だった。いくら実力があっても体育会系のノリのある吹部な為、1年が上級生に意見しても取り合ってくれない。

練習もしない上級生。しかし本番は出たいと言う。結局希美たち一年はBに選ばれ、何より許せなかったのは、当時2年で実力もあり練習も真面目にしていた香織や小笠原がBになったことだ。

希美たち元南中のやる気のあった1年は抗議をしたが、逆に輪を乱しているという扱いを受け、やる気のない部でやってられないと1年の希美たちは皆で退部した。

同じ南中の優子は残ると言い、みぞれは誰にも誘われなかった。オーボエは担当があまりいないので1年のみぞれでもAになれた。久美子は希美がみぞれに声をかけなかったのは嫉妬だったのではないかと心に思ったが口には出せなかった。

 

希美の退部を引き止めたあすか

 

一年前。希美は職員室に退部届を出しに行った時、たまたまあすかと会った。あすかは辞めようとする希美に「アホみたい」と言った。3年なんていつか卒業していなくなるのに、そうあすかは言ったが、あすかも3年は嫌いだったのだろう。

当時希美はあすかにムッとしたが、今思えば引き止めてくれていたのだろうと思っている。その時あすかは、希美は絶対に吹部に戻りたくなるし、辞めて後から部活に戻りたくなっても、その時に希美の存在がマイナスになると思えば自分は復帰を阻止する。

そうあすかは言った。それを聞いた希美はカチンときて、部活には絶対戻らないし、万が一戻るとしてもあすかから許可もらうまで部活には絶対復帰しないと言い切った。

 

希美を部に戻すと言い切った久美子

 

けれど希美は部活に戻りたくなった。逆に何故戻りたくならないのか?それを久美子に質問した。去年まで練習しないでも良いと言っていた奴らが、ケロッとした顔で関西大会に挑もうとしている。

希美は昔から全国に行くのが夢だった。今になっても参加したいと思うのは当たり前。一度辞めたからといって、部活に復帰したいと思うのがそんなに厚かましいことなのか?そう希美は久美子に尋ねる。

しかしあすかは、希美が戻ることで何か吹部にマイナスになることがあると見抜いているのだろう、そう希美は言った。あすかに尋ねてもそれは教えてくれない。だが久美子は希美が間違っているとは思わなかったので「私が調べます」と言った。

何故希美が復帰してはいけないのか。久美子は自分が希美を部に復帰させるとはっきり告げた。

 

コンクール嫌い

 

お盆休み明け、吹部はすぐに夏合宿。滝は新山聡美という木管楽器の奏者を招いた。滝と並ぶと爽やかな美男美女。二人はどういった関係なのか、滝が好きな麗奈は同様した。

新山は物凄い優しいが、練習はうまく演奏できるまでエンドレスで行われた。それが緑たち木管パートにとっては地獄だった。そして1日目は終わったが、久美子は夜寝付けず部屋を出た。歩いているとそこにゲームをしているみぞれがいた。

去年皆南中メンバーは辞めていったのに何故みぞれは残ったのか久美子は尋ねた。みぞれはそれに対し答えず、逆にコンクールは好きかと尋ねてくる。続けてみぞれはコンクールが嫌いだと言った。

評価の判断など結局は人の好みで決まるから仕方ない、とは割り切れない、コンクールは苦しいと久美子に言った。ただ演奏するだけなら部活に入らなくてもできるのに何故辞めないのか、それを久美子が尋ねるとみぞれは「もう、何も分からない」と言った。

 

あすかとみぞれの会話

 

次の日も厳しい練習は続く。この日はパーカッションの橋本も参加し活気付いたが、橋本はみぞれに対し「君のソロめちゃくちゃつまらんねん。ロボットが吹いてるみたいや」と言った。

それだけでなく橋本は、北宇治は演奏力は強豪校にも負けていない、しかし表現力が他の強豪校に比べ足りていない、と部員に正直に伝えた。

そして二日目の練習が終わった。久美子が楽器を触っているとあすかとみぞれの会話が微かに聞こえた。

「みぞれちゃんが気にしなくてもいい」

「このままじゃあすか先輩が悪者に」

「どうして怖いのか自分でも分からない、あの子は何も悪くないのに」

「確かにあの子は悪くない、けどみぞれちゃんだって悪くない」

そんな会話だった。一通り二人の会話が聞こえなくなるまで待った。そして夜食事をとっていると久美子の隣にあすかが座ってきた。

 

みぞれのトラウマ

 

あすかは普通だが、久美子はさっきの話を聞いていたので身を強張らせた。久美子は思い切って希美の復帰を許さない理由を尋ねてみた。

あすかが「みぞれちゃんがさ、希美ちゃんあかんねん」と言った。みぞれは希美のことトラウマらしく顔見ただけで気持ち悪くなってしまうらしい。部にオーボエはみぞれだけ。みぞれが潰れたら困る。部のためにどちらかを天秤にかけるならみぞれを選ぶ。

希美はみぞれを幼馴染の仲良しだと思っているだけに、そんなことを直で伝えるほど自分も鬼ではないとあすかは言った。久美子は何とも言えずあすかに諭された気分になった。

久美子は過去に希美が辞めようとした時に何故一度引き止めたのか、あすかに尋ねる。あすかが引き止めた理由は”希美がうまかったから”だった。

 

滝の知られざる過去

 

合宿の夜部員たち皆で花火をした。麗奈は滝と新山の関係が気になるので滝に直接尋ねに行く。橋本は久美子の元へ来て、麗奈は滝を好きなんでしょと言った。そこで橋本から滝の意外な過去を久美子は聞く。

滝・橋本・新山は同じ音大にいた。新山は今現在夫がいる。そして滝には5年前他界した奥さんがいたという。悲しみ抜け殻のようになっていた滝が、北宇治の顧問になり指導をお願いしてきた時、橋本は泣きそうになったという。

それから久美子は滝のこと、希美とみぞれのこと、麗奈のこと、色々考えている内に眠れなくなり、部屋を出ると自販機の前に優子がいた。香織と麗奈のソロ合戦以来苦手な先輩だが、久美子は長い時間優子と話し込んだ。

みぞれのこと、香織と麗奈のこと、色々と話す内に久美子は優子に対し実は色々考えている人で、好感を持ち憎めない人という印象を抱いた。

 

新山の助言

 

三日間の合宿が終了した。最後に新山はみぞれに謝った。自分は高校生であればこれだけ演奏できれば良いか、という基準で接してしまった。しかし橋本は一人の奏者として皆を見てアドバイスしていた。

実は新山もみぞれの演奏に物足りなさを感じていたという。みぞれならもっと上のことを要求してもできるはずだと新山は言った。技術は素晴らしいけど、何故だかみぞれの演奏を聴いていると苦しくなる。

もっとオーボエを好きになってあげればソロだって上手くいくと思うと新山はみぞれに助言する。みぞれは「はい」と答え、微かに震えていた。

 

三章ネタバレ オーボエの覚醒

夏紀の罪滅ぼし

 

ある日、久美子は夏紀と一緒に帰った。そこで夏紀が希美を必死で部に復帰させようとする理由を尋ねた。それに対し希美は夏紀の憧れなのだと語った。

当時1年の希美はやる気のない3年に食ってかかった。そんな熱い希美に憧れながらも夏紀は練習もきつくないこの部活が居心地がよかった。しかし希美は熱意のあまり部活を去った。その後あすかが1年と3年の中を取持ち落ち着いた。

当時苦しんでいた希美を夏紀は助けてやれなかった。その罪滅ぼしとして今希美に協力しているのだと夏紀は言った。

 

希美の呼びかけに逃げたみぞれ

 

関西大会での北宇治の演奏順が決定した。23校中16番目。大阪の強豪・明静工科高校の次だった。強豪校の次は比較されてしまうのであまり良い順番ではない。

関西大会は前半と後半に分かれている。ちなみに他の強豪校、大阪東照高校は前半の部の3番目、秀大付属高校は後半の部の20番目。

そして関西大会前日。「みぞれ」と呼びかける希美からみぞれは逃げた。久美子はそれを見て何が起きたのか分からなかったが、あすかは「最悪や」と言った。

優子がすぐに希美の胸倉を掴み上げた。なぜみぞれを苦しめるのか、と優子は問うが希美には心当たりがない。優子を夏紀が止めに来たが、優子は夏紀と希美を引き剥がし、そこにいた久美子にみぞれを探すよう頼んだ。

 

希美のために部に残っていたみぞれ

 

久美子はもう廃部になった演劇部の部室でみぞれを見つけた。みぞれに久美子は希美のことが嫌いなのかを尋ねた。しかし全然そういうことではないとみぞれは答えた。

みぞれには友達がいない。そんなみぞれに話しかけてくれたのが希美だった。そしてみぞれは希と一緒の吹部に入ったが、希美はみぞれには何も言わず部を去っていった。希美にとっては数いる友人の一人。しかしみぞれにとって希美は唯一の友人だった。

希美はみぞれに何も言わず部を辞めたことなどきっと何とも思っていない。しかしその何とも思っていない現実と向き合うのが怖いのだとみぞれは言った。そして友達に執着する自分に対し気持ち悪いとも言った。

皆は大会で良い結果を残したいと思いながら一途に練習してきた。しかしみぞれは吹部が希美との唯一の共通点であり、友達のために部に残った。久美子は自分と全く違う動機で部に残るみぞれに何も言えなかった。

 

みぞれに話しかける希美

 

少し遅れて優子が教室に入ってくる。まだ希美と話すのが怖いのか?と質問した後、本当にみぞれの友達は希だけなのか、自分は違うのか、と優子はみぞれに言った。

みぞれは優子に対し、希美に置いてかれた自分を同情して付き合ってくれているのでしょと言った。しかし優子は違うと否定した。そして今まで吹部にいて嬉しいことはたくさんあっただろう、関西大会に出れるだろう、とみぞれに言う。

みぞれは嬉しい気持ちと同じくらい辞めていった子たちに申し訳なかった、と思っていると言った。みぞれの精神状態が少し落ち着いたのを確認し、優子は希美を教室に入らせる。

希美はあすかから持たされたオーボエを抱え、心当たりがないけれど何か悪いことしたかな?とみぞれに話しかけてみた。そしてみぞれは、希美に今まで聞けなかったことを勇気を出して聞くことにした。

 

あすかの思惑

 

みぞれは部を辞める時何故自分を誘わなかったのか理由を尋ねた。頑張って練習しているみぞれを誘えるわけがなかったと希美は言った。だから何も言わなかったと。

希美は無邪気に気付かずにごめんという感じで謝った。二人の間には温度差があったが、みぞれはようやく希美と話せてホッとしていた。二人が何とか仲を取り戻したのを見て久美子たちはその場を去った。

オーボエを希美に持たせたのはあすかの作戦だった。あすかはショック療法みたいなものだと久美子に言った。みぞれにとって優子は希美がいなくても一人ではないと思える保険だった、みぞれはずるいところがある、とあすかは言い切った。

久美子はみぞれはそんな人間ではないと言ったが、あすかはひょうひょうとした感じで人間は割と打算的だと言った。その時麗奈が久美子を呼びかけ、二人はあすかに挨拶をし、その場にいた皆下校した。

 

いざ北宇治の演奏

 

関西大会当日。久美子たちは緊張していた。希美は吹部に復帰し、部員たちは移動のため早朝から集合した。開催地に着くと滝は部員を集め、自信を持つのと同時に奢らず気を引き締めるよう言った。

前半の部が終わる。同じ京都の立華高校が銀賞で終わり、大阪東照はさすがの金。立華の夏はもう終わった。そして北宇治の順番が近づく。

一つ前の強豪校・明静は完璧な演奏をした。これには北宇治の部員も追い込まれる。次は北宇治。部員たちが一斉に動き出し、席につき、楽譜をたて、楽器を構える。

北宇治の演奏が始まった。今まで練習した成果を思いっきり出し、演奏終了後に滝も微笑むほど北宇治は上手く演奏することができた。

 

強豪校のミス

 

結果発表まで久美子たちは自由時間となった。久美子たちは強豪校・秀大付属の演奏を見た。秀大付属の演奏は完璧だった。ソロパートで一回目立つミスがあったがそれ以外は流石の内容だった。

演奏が終わり久美子が外に出ると秀大付属の生徒が二人いた。腕を骨折して出れなかった先輩と、その先輩の代わりにソロを吹き先ほどミスした生徒だった。

その先輩はちょっとソロをミスしたからって、ビクともしないくらいうちの学校は上手いと慰めていた。どこの学校にも事情はある。

皆環境のそれぞれ違う中で、結果を残すために練習しているのだと再認識した久美子。全ての演奏が終わったと麗奈が声をかけてくる。これから発表が始まる。

エピローグ<ネタバレ>

後半の部の金・銀・銅賞が発表された。まず明静が金賞を取った。そして次に北宇治が金を取った。次の金は秀大付属。前半・後半共に金を取った学校は3校。合わせて6校の内3校だけが全国に行ける。そして発表。

1校目 大阪東照高等学校

2校目 明静工科高等学校

3校目 北宇治高等学校

久美子や麗奈はその発表を聞いて信じられないと興奮し、部員たちは泣く者もいれば、みぞれのように無表情のままの者もいた。けれどみぞれの瞳の中で光がチラチラと輝いている。

北宇治は全国大会出場を決めた。

久美子はみぞれにまだコンクールは嫌いかどうか尋ねた。みぞれは「たったいま、好きになった」と答えた。