グランクレスト戦記、小説1巻の内容ネタバレです。

グランクレスト戦記は2018年の冬にアニメ化され、要注目の小説作品です。国を取り合い、戦略を練り、のし上がりと激動の作品です。

今回はそんなグランクレスト戦記の小説内容を先取りしてネタバレしていきます。というわけでグランクレスト1巻の内容ネタバレです。

※この記事には小説グランクレスト戦記1巻のネタバレ内容が記載されています。アニメ、小説を観るよ!という方は閲覧注意です!

スポンサーリンク

グランクレスト戦記。小説1巻ネタバレ!

統合しようとしている二大権力。

 

この国には透明な球体を据えた台座が設置されている。

球体の内部では光と闇が混ざりあっており、それはこの世界の「ゆらぎ」を示しており混沌儀(カオスグローブ)と呼ばれている。

この国の二大権力者の名は幻想詩連合(ファンタジアユニオン)大公シルベストル・ドゥーセ

もう一人は大工房同盟(ファクトリーアライアンス)大公マティアス・クライシェだった。

連合と同盟は大陸の覇権をかけて争う二分する大勢力だったが、今ではその状況も落ち着いていた。

シルベストルの嫡子アレクシス・ドゥーセとマティアスの長女マリーネ・クライシェの結婚式が今行われようとしている。

これにより二つの大陸は今統合されようとしていた。

 

「収束」すると被害をもたらす「混沌」という球体。

 

魔法大学に在籍している女学生シルーカ・メレテスは、学生代表として祝辞を述べるために式に出席していたが、全身がぞくりとするような感覚を感じた。

シルーカが辺りを見渡してみると混沌核(カオスコア)と呼ばれる影が実体化したような黒い球体が出現していた。

カオスグローブの近くに混沌核は出現しておりジワジワ大きくなっていたのだ。

シルーカはその「混沌」と呼ばれる球体が収束する前に、混沌を発散させないと最悪の事態が起こる予感がした。

混沌が収束すると災害が起きるからだ。シルーカは結婚式の最中にもかかわらず混沌核の方へ走っていった。

 

突如混沌から現れた強力な悪魔「デーモンロード」。

 

周りの関係者達がシルーカを止めようとするが、シルーカはそれらを振り切り魔法杖を振るおうとする。

しかしその時突然背後から「おやめください、お嬢様」と何者かに囁かれ、シルーカは背後から羽交い締めされてしまった。

シルーカはすぐに邪紋使い(アーティスト)という言葉が浮かんだ。邪紋(アート)とは混沌を身体に取り込んだとき肌に刻まれる紋様のこと。

邪紋を身に刻んだものは邪紋使いと呼ばれ超常的な身体能力を発揮する。この結婚式を守る為にクライシェ家が雇っていた傭兵だったのだ。

そうこうしている内に混沌は収束してしまい、案の定翼を生やし黒い刃の大剣を握った黒衣の少女「ディアボロス界のデーモンロード」が姿を現してしまった。

デーモンロードとは、遥か昔大陸の混沌濃度が現在より遥か高かった時代に姿を現したとされる珍しき存在。

討伐した時に与えられる爵位はドラゴン10体を討伐するより大きいとされる最大の厄災。

なぜこの魔法都市エーラムにこのような存在が現れたのか、シルーカには誰かが必然的に出現させたとしか思えなかった。

そしてそれが出来るのは魔法師(メイジ)だけであり、それも恐ろしく能力の高い魔法師に限られるらしい。

デーモンロードを出現させるには混沌濃度を極大にまで増幅させる必要があり、魔法学校で優秀な成績を修めているシルーカでも増幅も制御も出来はしない。

 

両大公の他界により、再度連合と同盟は対立する関係に。

 

エーラムが壊滅するかもしれない程の存在の出現、しかもデーモンロードは次元結界を張ってしまった。

結界によりデーモンロード側にいた二人の大公はもうこちらの世界に戻ってはこれない。これは世界が二つに分かれたも同然のこと。

クライシェ大公とドゥーセ大公はさすがに目の前のデーモンロードには勝てないと思ったが、自身の聖印を振りかざし強力な魔法で対抗した。

しかしデーモンロードには全く通じず、その悪魔は大剣で二人の大公の首をはねてしまった。

その後デーモンロードは黒い霧と共に消滅し、大公の亡骸もどこかへ消えてしまった。

両大公がいなくなってしまったことにより、二人の所有していた莫大な聖印や爵位は消滅、大公達に従属していた君主達は独立を強いられてしまった。

結局両大公の有力な君主達がアレクシスとマリーネを盟主に仕立て上げ、同盟を維持することにとりあえずは決定した。

だが二人の大公がいなくなったこの事件は、同盟側、連合側、お互いが相手の陰謀だと非難しあい、やがて大陸を二分する戦いへと発展していく。

第1章 契約

好色伯ヴィラールとの契約?

 

デーモンロードの一件は「大講堂の惨劇」と呼ばれたが、その後シルーカは魔法大学を卒業した。

惨劇の時シルーカを羽交い締めにした邪紋使い「アーヴィン」は、クライシェ家を辞しシルーカの手足となって働く御者(ぎょしゃ)となった。

シルーカはこれからアルトゥークを治めるヴィラール・コンスタンス伯爵と魔法師として契約しにいくことになった。

彼は魔法大学では好色伯と呼ばれており、魔法大学の女子学生とだけ契約し、25歳を過ぎると契約を解除するらしい。

シルーカは偶然学内を訪れていたヴィラールの目に止まり選ばれてしまったのだ。

ヴィラールは惨劇の時の事件究明が曖昧になっている現状に疑問を持っており、あの時混沌を阻止しようと動いたシルーカのことを覚えていたらしい。

 

君主になる為の聖印を自ら創り出していた若者テオ。

 

街道を進んでいたシルーカだが、突然待ち伏せしていた兵士達が彼女を襲ってきた。

彼らは連合と対抗する勢力の君主に仕えている者達で、連合側であるヴィラールと契約しに行くシルーカのことも敵とみなし攻撃を仕掛けてきたのだ。

しかしそこに馬に乗った若者が現れシルーカ達を守りに来てくれた。青年は聖印(クレスト)を持っていたので身分は君主だった。

彼は連合にも同盟にも属していないらしく、凄い強いというわけではないが筋は良かったので兵士を追い払ってくれた。

アーヴィンが一緒にいたのでシルーカは全くピンチではなかったが、一応お礼としてシルーカは魔法で若者の傷を治してあげた。

若者は今従騎士という騎士見習いの身分で名はテオという。テオは連合、同盟、どちらの聖印にも従属していなかった。

なんとテオは故郷の魔物を退治して自分で聖印を作ったのだという。だが一般的に聖印は仕えている主人から授けられるもの。

出現した混沌を一人で鎮めたのも凄いが、その混沌核から聖印を創ることが出来るのは強い意志を持つ者だけだと言われている。

スポンサーリンク

テオの目的に力を貸すことを決めたシルーカ。

 

事情を尋ねるとテオの故郷の島、システィナの西部にある村は混沌濃度が高く魔物が頻繁に現れるという。

だが島全体を治めているロッシーニ子爵はやっかいな地域の統治は放棄しており、それなのに厳しい徴税は行ない、村人の犠牲者は絶えないという。

だからテオは自分がいつか領主になって村を救いたいそうだ。だが既にロッシーニ子爵が名目だけに手配している領主が故郷にはいる。

テオがこれからのし上がるには、近い内に始まる連合と同盟の大戦で爵位を上げていく必要がある。そうなればテオにも割り込むチャンスはある。

そんなテオの夢を聞いたシルーカは自分もテオに協力してあげることにした。そして魔法でオルトロスという魔物を召喚しテオに立ち向かわせたのだ。

ここでオルトロスを倒し、討伐後出現した混沌核をテオの聖印に取り込めばちょうど騎士に叙勲されるくらいの爵位を得られるからだ。

テオは強引なシルーカの計画にしょうがなく乗り、命からがらオルトロスを退治し、出現した混沌核を取り込んで騎士になるだけの叙勲を得た。

 

メストを倒しテオは爵位の底上げと領地拡大へ。

 

しかもシルーカは嫌がっているテオの言うことも聞かず、ヴィラールと契約したくない気持ちから、テオを君主に仕立て上げて自分と契約させてしまったのだ。

こうしてシルーカはテオという君主に従う魔法師となってしまった。その頃襲撃に失敗した兵士達はそのことを君主の騎士メストに報告していた。

実は契約前の魔法師を襲うのは重大な協定違反とされており、魔法師協会に訴えられればメストは爵位を剥奪されてしまうレベルの重罪を犯していた。

加えてメストは強欲なロクでもない領主だった為、長年仕えていた老魔法師のサトゥルスも呆れ返っていたところだった。

シルーカはすぐにテオをのし上がらせる方針で動き始め、テオ、シルーカ、アーヴィンの三人でメストの元へ奇襲をかけにいった。

協定違反を犯しているのなら自分はもうメストになど仕えていない、そう思った老魔法師サトゥルスもメストを見限りテオ達に加勢してくれた。

テオはサトゥルスと契約し、メストの聖印を取り上げた後自分の聖印と統合させたので、メストの領地を継承することになった。

 

更に領地を拡大する為、あえて同盟と敵対する連合入りを宣言することに。

 

突如現れてメストを下し領地を得たテオ。ただしそのことを近隣の領主が認めるかどうかは分からない。

それならばと、サトゥルスがこの辺り一帯を治めている同盟のクローヴィス王子爵に話をつけてくれるというのだ。

だがそれは無用だとシルーカは言った。なぜならテオは幻想詩連合に加盟するから、ということらしい。

そうなると今いる領地の周辺は同盟の君主ばかり、皆敵になってしまう。

シールカの作戦としては本音は同盟に参加したいが、手っ取り早く領地を手に入れる為に連合を名乗れば、同盟の領主達と戦えるだろうという策略だった。

シルーカは自分に何をさせたいのだろうか、そうテオは不安に思ったが、シルーカは自分がついているから大丈夫だとテオに言い放っていた。

第2章 野心

心強い仲間、アイシェラを呼び寄せることに。

 

シルーカはヴィラールに仕えたくないという気持ち以外に、自分の故郷を救いたいという熱意を持つ若い君主テオに運命を感じてもいた。

そしてテオが新しい君主になったことで戦いを仕掛けてくる近隣の君主がいるに違いない。

そこでシルーカは自分たちの強力な戦力として、魔法学校時代に同部屋だった親友アイシェラを呼ぶことにした。

アイシェラは魔法師協会の手足となって危険な仕事や内密な仕事を行う「エージェント」と呼ばれる団体の一員で、主に魔物退治で名を馳せているという。

シルーカは魔物ケット・シーの王バルギャリーという猫を召喚し、至急ここにアイシェラを連れてくるよう頼んだ。

 

今シルーカの置かれている状況とは?

 

ここで少し今のシルーカの置かれている状況を整理すると、魔法師協会の人間でありながらヴィラールとの契約を反故にしている。

周辺を同盟の勢力に囲まれながら、テオという君主と戦に備えており、幻想詩連合に属すると宣言している状況。

魔法師協会に圧力をかけてくる君主達に逆らってお互い全面対決の姿勢をみせるなら、世界は再度極大混沌の時代に戻ってしまう。

それゆえに魔法師協会のセンブロス学長は、今シルーカが作り出している状況にエライことをしてくれたと呆然としていた。

その頃ヴィラールも自分の抱えている魔法師長マルグレットからシルーカについての近況報告を受けていた。

魔法師協会は他の魔法師を派遣する用意があるとのことだが、ヴィラールはシルーカのような面白い存在を簡単に手放すつもりはないらしい。

むしろヴィラールをコケにしたことでシルーカに怒りを露わにしてるのは魔法師のマルグレットの方だった。

 

近隣の領主ラシックとの戦い。

 

一方メストがテオに領地を取られたと知ったセーヴィス地方近隣の領主ラシックは、連合への所属を宣言しているテオに同盟の名の下攻め入ろうとしていた。

ラシックは小領主で土地も二つと少ないので、今が勢力拡大のチャンスだと思っていた。ラシックに仕えている魔法師モレーノも自分の実力には自信があった。

モレーノはシルーカの魔法大学の先輩であり、先日の惨劇でもシルーカが活躍していたので油断はしていなかった。

だが以前可愛いと思ってシルーカに声をかけてみたら冷たい視線が返ってきたので、今回は自分がシルーカに勝利し彼女を見下そうとも思っていた。

案の定ラシックはたった七日後に攻め寄せて来た。ラシックは剣の腕もたつし、兵の統率もとれている。

一方テオの戦力はアーヴィン一人。アーヴィンたった一人で敵の全軍と戦うことになる。

一方モレーノのことはシルーカも覚えていた。モレーノは才覚はあるが器量が小さい、というのがシルーカの印象だった。

完全に勝ち目なし、自分の人生ここまでと思ったテオだが、戦場にアイシェラが到着しシルーカに加勢しに来てくれた。

これでアーヴィン、アイシェラという超人的な強さの二人が揃った。そして戦は始まった。

 

アーヴィンの正体は邪紋使い「影」の一員。

 

モレーノはアーヴィンやアイシェラが事実上シルーカに仕えており、テオに仕えているわけではないことを見抜いていた。

それならばとモレーノはすぐにシルーカに接近、襲いかかってきた。不意をつかれ浅い傷を負ったシルーカは、そのままモレーノと対決することになった。

モレーノはかなり剣の腕がたつ。シルーカは魔法で対抗しているが、あまり魔法を多用しているとすぐに疲労が来てしまうので形勢は不利だった。

アーヴィンかアイシェラが加勢に来てくれることを期待しているシルーカだが、アイシェラは若くして兵士を束ねる騎士ベトルの戦略にハマり苦戦中。

一方アーヴィンは単体でもかなりの武を誇る君主ラシックと戦っていた。

アーヴィンは元々マティアス大公に仕えており、特殊な能力で主人に仕える流儀の邪紋使い集団「影」という者達の一員だった。

その影の中でもアーヴィンが侍従(フットマン)と呼ばれる超人級の邪紋使いであることをラシックは見抜いていた。

傭兵だった父からあらゆる戦い方を叩き込まれていたラシックと、巨漢の傭兵隊長グラックは実力者であり、さすがのアーヴィンでも長い戦いになった。

 

ラシックを撃破したことでテオは五村を治める領主と成り上がってしまった。

 

シルーカも既に疲労困憊しており、誰も助けに来ないのでそろそろピンチだった。しかしここでまさかのテオがシルーカを助けにきてくれたのだ。

戦況をしっかりと判断しシルーカの元へ来たテオ。モレーノも相当な疲労だったので足がもつれている。

さすがのモレーノも元気なテオと今から戦うのは無理があったようで、テオとの勝負に敗れてしまう。

この魔法師モレーノはラシックにとって大きな戦力、そのモレーノが捕らわれたとなるとラシックも降伏するはず、そう思ったシルーカ。

案の定モレーノを人質にしたことでラシックは降参、出来ればテオに従属したいとラシックは言ってきた。

ラシックとラシックの率いる兵士達はとても強く、仲間にすれば大きな戦力になると思ったシルーカはテオにラシックを受け入れるよう助言する。

ラシックの聖印のパワーは強力で、その力を統合したテオの聖印は大きく成長、爵位は男爵の位まで一気に上がってしまった。

あまりにも一気に爵位が上がってしまったのでテオも相当に驚いている。

今やクローヴィス地域とセーヴィス地域の国境をまたいで五村を治める領主となったテオ。決して小さくない勢力になった。

スポンサーリンク

第3章 災厄

シールカが同盟優勢だと思う理由。

 

テオの最終目的は故郷のシスティナを救うことだった。だがシスティナという島は幻想詩連合に所属している島。そこの君主ロッシーニ子爵は連合の人間。

いずれ子爵を倒すのが目標なら連合に属するのは都合が悪いので、いずれ同盟に移ってシスティナへ帰還し、ロッシーニと対決するところまでがシルーカが描いている作戦だという。

仮に今後大戦が始まっても連合は同盟に勝てないとシルーカは予想していた。君主としての器は連合のアレクシスより同盟のマリーネの方が上。

加えてマリーネの契約している魔法師長は、シルーカの義理の養父であるアウベスト・メレテスという魔法師として相当な実力者。

そのアウベストが同盟にいる限り同盟の負けはない、そうシルーカは同盟優勢に自信を見せている。

 

自分の爵位と領地を支配者に認めさせたいテオ達。

 

その後近隣の領主4人がテオを狙って攻めてきたが、そのことは予想できたのでテオ達は軽く返り討ちにすることができた。

次は同盟に所属し、テオの現領地と独立をセーヴィス王に認めさせたい、それがシルーカの作戦だった。

というわけでセーヴィス王ナヴィル・ジェルジェ子爵の元にはモレーノに交渉しに行ってもらうことにした。

だがこの交渉はかなり難しいものになることは分かっていたので、ある程度シルーカとモレーノはプランを立てて交渉に挑むこととなった。

一方でクローヴィス王との交渉を成功させたサトゥルスが帰還。

クローヴィスの領内で領地の拡大を行わないという条件ならば、テオの聖印の独立と旧ミードリック家の領地の所有を容認するという密約を得た。

そんな同盟にどうやって加盟出来るか模索している中、アーヴィンから鍛冶屋の親方が酷い火傷を負ったという知らせを受ける。

 

突如サラマンダーの出現。

 

シルーカ達はすぐに親方の元へ向かい治療したが、親方曰く火傷の原因は混沌のせいらしい。

だがもし混沌が収束して事故が起こったのなら、混沌核が完全に発散していない限りは同様の事故が続けて発生する恐れがあるとシルーカは予想した。

バルギャリーは鼻が効くので混沌の存在を確かめるべく周辺の匂いを嗅いでみた。そしてバルギャリーは刺激的な匂いを見つけ一軒の家に指を向けた。

その家はすぐに爆発したが、住人はアイシェラが間一髪助け出していた。家の主人曰く暖炉の薪が急に燃え上がって爆発したのだという。

そして爆破した家の炎の中には、実体なきエネルギー生命体が棲息する精霊界エーテル火炎トカゲのサラマンダーが姿を現していた。

だがサラマンダーは火を消そうとしない限り攻撃はしてこない。

それならば火が燃え移らないように周りの木を伐採し、家の火が消えかかったところで水攻めにすればいいとシルーカは判断した。

アイシェラが木を伐採、シルーカの水魔法でサラマンダーは退治、結果鍛冶屋の親方も無事回復、そしてテオ一行は村人から感謝されることになった。

 

セーヴィス王との交渉は失敗に。

 

一方セーヴィス王の元へ交渉しに行ったモレーノだが、セーヴィス王はテオが自分の国を奪おうとしていると思っているので交渉がうまく進むはずがなかった。

セーヴィス王はこの国を自分だけのものにしたいのだが、独立意識の強い君主達がこの国には沢山いるため、未だにセーヴィス王といえど統一できてはいない。

とりあえずテオ達はセーヴィス地域にいる独立君主の中で、自分達の味方になってセーヴィス王と戦ってくれる君主を探すことにした。

第4章 戦旗

用意周到な計画でセーヴィス王には圧勝。

 

セーヴィス王が遂にテオを討つために動きだした。テオはこれから一国の王との本格的な戦いをすることになる。

ラシック以外に戦で下した君主ネーマンも仲間になり、サラマンダーから窮地を救われた村の領民、鍛冶屋の親方も武具を装備して駆けつけてくれた。

さらにはテオに加勢し自分達もセーヴィス王を倒したい、という意思を持った独立君主達も次々と現れテオの戦に加勢してくれた。

結果、用意周到に待ち構えていたシルーカの策通りセーヴィス王との戦いにテオは圧勝した。

勝ち目がないと思ったセーヴィス王は一時撤退し、追い詰められた挙句、再度領地を回復できるようクライシェ家への従属を申し出に向かってしまった。

 

次は同盟に加入することをマリーネに認めてもらわないとならない。

 

一方テオはセーヴィス王に仕えていた3人の男爵を一掃し、その内1人の男爵の領地を自分の軍事的拠点にした。

さらにテオに加勢してくれた独立君主の数人を従属にし、傭兵団なども自分達を売り込みに来るなど、様々な者達がテオの元に集まってきていた。

そんな中、聖印教会の司祭プリシラという女性が現れ、テオに神の教えのもとあらゆる援助をしてくれるという。

だが魔法師協会と聖印教会はことあるごとに対立している組織。シルーカはプリシラの存在を気持ちよく思わなかった。

それよりもとにかく今は同盟のトップ、マリーネ・クライシェにテオの同盟加入を認めてもらわなければならないとシルーカは思った。

後日シルーカはマリーネの元へ直接交渉に向かった。マリーネの横には養父のアウベストもいた。

シルーカはテオをクライシェ家の従属にしたいと言って同盟への参戦意思を示した。

マリーネは心の中では既にテオを受け入れるつもりだったが、一応検討という形でその場を終えた。だがアウベストの考えは違った。

 

アウベストが語るテオを同盟に入れられない理由。

 

シルーカが去った後、アウベストはテオを同盟に参加させるべきではない理由を述べた。

勿論テオという急速に力をつけた君主がクライシェ家の下につくことは喜ばしいことではある。

それでもいくつかの理由から、テオの同盟の加入は拒否するべきだとアウベストは言い始めた。

まずテオはシルーカの作戦とはいえ、最初に同盟の敵対する連合所属を宣言して領地を拡大している。

それをマリーネという同盟トップの人間が認めてしまったのなら、今後同様の手段を企てる君主を抑制できなくなるという。

アウベストはマリーネには厳格な姿勢を取ってもらいたいと思っているのだ。

一方のセーヴィス王は、一応は連合を名乗るテオを同盟の名の下に攻撃を仕掛けに行ったという背景があるのだ。

 

同盟入りを断られては戦うしかない。

 

アウベストの助言を参考にしたマリーネは、苦渋の決断ではあったがテオの同盟入りを断ったのだった。

マリーネから同盟入りを断られたシルーカは相当なショックを受けてしまう。かなりの確率で同盟に加入できると思っていたからだ。

しかしマリーネからの報せは現在のテオの領地と爵位をクローヴィス王、セーヴィス王に返上し、速やかに立ち退けとのことだった。

従わない場合はセーヴィス王の要請に応じ軍を率いてテオを討伐しにくるという。

相手は巨大な戦力故、戦って勝てるはずはないが、シルーカはマリーネの勧めには従えないという答えを出し、戦うことに決めてしまった。

テオの夢を叶える為にはここで引くわけにはいかないと思ったからだった。

スポンサーリンク

第5章 決断

ヴィラールを尊敬しているマルグレットのシルーカへの怒り。

 

マリーネに同盟の加入を断られては連合を頼るしかなくなったテオ達。だが連合に入るにはこの地域最大の君主であるヴィラールに頼るしかなかった。

マリーネは一度ヴィラールとの約束を反故にしていたが、なんとヴィラールからは一応話し合いに応じるという返答があった。

シルーカが悲壮な覚悟でヴィラールの元へ交渉しに行くと、向かった先で現れたのはヴィラールではなくマルグレットだった。

今、ヴィラールはシルーカと会う気はないらしく、そのかわりマルグレットが烈火のごとくシルーカに言葉攻めしてきた。

ヴィラールを裏切ってテオという君主と契約したこと。もし同盟に加入していたらヴィラールの命を狙う立場になっていたこと。

それなのによくここに顔を出せたものだ!というヴィラール陣からすれば当然のように思うことをマルグレットはぶちまけてきた。

勿論シルーカには言い返す言葉が何もなかった。

 

ヴィラールは実は戦の達人。女性だけを選ぶのには正当な理由があった。

 

しかしこのままではセーヴィスの全君主がヴァルドリンド国王の盟主マリーネに従属することになってしまう。

そうなれば連合のヴィラールの命が危ない、そうシルーカは言ってみた。しかしそれは愚問だとマルグレットは答えた。

先代の頃から同盟はこの国を攻めてきてはいるが、この国には領民の意思も強く、魔女、ヴァンパイア、人狼など超人達が沢山いるという。

更にヴィラールはクライシェ家とは血縁関係であり、ユルゲン・クライシェ譲りの戦の達人でもあるという。

ヴィラールの住むアルトゥーク地方では魔女信仰が盛んであり、魔法は女が使うものだと決まっているらしい。

だからヴィラールは領民の理解を得られやすいようにと女性の魔法師とだけ契約することを決めているらしい。

そして25歳になったら契約を解除するのは、一生魔法師として契約させては結婚もできないので、女性として不憫であろうという考えがあるからとのこと。

 

ヴァルドリンド軍との戦開始。

 

好色伯と学内で噂されていたヴィラールが、実はこのような誠実な人物だとは思いもしなかったシルーカは深く後悔した。

シルーカはヴィラールとの交渉も失敗に終わり、これによりテオは同盟、連合、両方に加入できず孤軍奮闘する羽目になってしまった。

結局ヴァルドリンド辺境伯マリーネ・クライシェはセーヴィス王ナヴィル・ジェルジェ共にテオを討ち取りにやってきた。

テオは籠城して相手を退ける作戦を決行していたが、ほぼ勝ち目なし。奇跡を祈るしかない戦いになるだろうとシルーカは今後の展開を予想している。

アイシェラとグラック、そして新たに加わった仲間「スナイパー」のルーカスは攻めて来る相手兵の進行を阻止するべく激しい戦いを繰り広げる。

残念ながら門を守っていたネーマンは他界したが、初日はヴァルドリンド側の兵士達にも多数の負傷者が出るなどテオ達はかなりの奮闘を見せていた。

 

二日目。セーヴィス王を遂に討ち取った。

 

だが二日目の夕方に流れは変わった。グラック隊長らがセーヴィス王の退路を断ってくれたので、ラシックはセーヴィス王と一騎打ちする機会ができたのだ。

単体ではかなりの強さを誇るラシックは見事セーヴィス王を討ち取ることに成功した。遂にセーヴィス王を討伐できたテオ達。

結局セーヴィス王の要請を受けてヴァルドリンドは救援しに来たので、セーヴィス王がいない今これ以上テオ達がヴァルドリンドと戦う理由はない。

だがセーヴィス王を倒してしまったので、このままいくと世間的にはヴァルドリンドがテオ達に負けたという印象になってしまう。

そしてヴァルドリンドとこのまま戦っても自分たちに勝ち目はないので、この辺りでうまく負ける必要があるとシルーカは考えていた。

それには最低限の爵位を残してテオがこの地を去ることと、セーヴィスの全君主がヴァルドリンドに直接従属するという条件が必要になると考えている。

仲間になってくれた君主達も皆セーヴィス王への従属を拒んでいただけなので、これ以上戦う理由はないからだ。

テオが去り、全君主がヴァルドリンドの戦力になるならヴァルドリンド側もその条件をのむだろう、という予想の元シルーカへ交渉へ向かうことにした。

 

不毛な泥仕合へと発展。しかしそこにヴィラールの軍が。

 

しかし交渉の結果、ヴァルドリンド側の出した条件はもっと厳しいもので、この戦いを終わらせるにはテオの命を差し出すしかないと言ってきた。

ヴァルドリンド側の兵士達は、自分達の兵士が何十人も犠牲になっているのにテオを生かしておくわけにはいかないという考えがあるのだ。

そのように昂った兵士達の気持ちをマリーネは抑制できなかった。交渉は決裂し、完全に退路を断たれたシルーカはテオと心中する覚悟に変わった。

だが無抵抗でやられるわけにいかないのでテオ達は更に必死の覚悟で戦った。もうお互いにとって完全に不毛な戦いになっていた。

ヴァルドリンド側の兵士も更に犠牲者が増えてしまい、完全に引き際を間違えていることは分かっていた。

しかしセーヴィス王が討ち取られたのにテオを生かしておくのは、ヴァルドリンド騎士団が敗北したという印象を世間に与えてしまうことになる。

ヴァルドリンド側としてはメンツの為にどうしてもテオの命をとる必要があるのだ。そんな中森からヴィラールの軍が突如現れた。

そのままヴィラール軍はマリーネを守る騎士団達に奇襲をかけたのだ。

 

ヴァルドリンドの敗北。ヴィラールによる上手の策略。

 

軍略の天才と言われるヴィラールは、シルーカとの己の私怨よりも、同盟のトップを狙うためにテオ達の戦を利用して隙をうかがっていたらしい。

結局ヴィラールは単身マリーネの元へ馬を走らせ、命までは取らずに何かを耳元で囁いて颯爽と去っていったという。

ヴィラールとマリーネは従兄妹という間柄なので、ヴィラールは命をとるまではしたくなかったのかもしれない。

もはや戦いを続ける兵力の残っていないヴァルドリンドの軍勢は本国へと撤退していった。このまま破れかぶれ戦うよりもマリーネの命を最優先したのだ。

マリーネがいなくなれば鉄血伯ユルゲン・クライシェの正統な直系が絶える。ほかに血を引くものは継承権において上位にいるのはヴィラールだ。

しかし今回の戦いで同盟の威信は大きく失墜した。同盟は強大な軍事力と、盟主であるクライシェ家の統率力が売りだったのに戦いに敗れたからだ。

 

テオはヴィラールに従属することとなり、シルーカはヴィラールの魔法師団となった。

 

その後はヴィラールとの話し合い。シルーカ達はヴィラールによって完全に助けてもらった身なので、これから何を要求されても断れない状況にある。

ヴィラールはシルーカに、最初から自分と契約していたという設定にすれば魔法師協会との軋轢もなくなるだろうと言ってきた。

セーヴィス王を打ち取ったテオにはこのままセーヴィスの盟主になってもらえばいいのではないか?と言ってきた。テオにとってはこれ以上ない提案。

しかしテオはシルーカを手放すつもりはないらしく、シルーカ一人雇える爵位を貰って一騎士としてヴィラールに従属できればそれでいいと言い切った。

マルグレットは、領民に慕われ盟主としての資質を示したテオとシルーカは自分達の戦いに必要になるとヴィラールに進言し、ヴィラールもそれに納得した。

ただヴィラール側から譲れない一つの条件があった。それはテオには領地を与えず自分の城に住んでもらうというものだ。

そしてテオが城にいる間はシルーカは自分の魔法師団として扱うという条件だった。

それによりテオは爵位を全てラシックに譲り、ヴィラールの所へ行くことを決断した。そうまでしてもテオはシルーカを選んだのだ。

ラシックはこうして再度君主となったが、再度テオが立ち上がった時には必ず駆けつけると言ってこれからも変わらない忠誠を示してくれた。

国一つ程の爵位を捨てたテオ。そうまでして自分を選んだテオに対し、シルーカはただの忠誠ではない気持ちも込み上げてきているようだった。

というわけでここまでが「グランクレスト戦記」小説1巻のネタバレ内容でした。